Tamikrest

Picture by Masataka Ishida

タミクレストは2007年、マリ北部の街キダルにて結成。主なメンバーはトゥアレグと呼ばれるサハラ砂漠周辺で暮らす遊牧民で、彼らは1990年に勃発した“トゥアレグ抵抗運動”にて命を落とした家族や友人をたくさん見てきました。そして再び同地域で闘争が勃発した際、リーダーでヴォーカル/リード・ギターのウスマン・アグ・モサが、武器を使わず音楽で抵抗しようと考え結成したのがこのバンドでした。そして2008年に現Glitterbeatのオウナー、クリス・エックマンを擁するダートミュージックと出会い、彼らのアルバムに参加する一方で、クリスのプロデュースで2010年にリリースされた『アダール』を録音しました。続いて11年に『トゥマスティン』、13年に『シャトマ』をリリース、先輩のティナリウェンが作り出したサウンドをさらに発展させ、若々しさや力強さが宿った新鮮な砂漠のブルースを聴かせたこれらの作品で世界的な注目が集まりました。15年のレコード・ストア・デイにはアナログ・オンリーのライヴ盤『タクセラ』をリリースしています。そして2017年発表の最新作『キダル』で、バンドとしての頂点を迎えようとしています。


TAMOTAIT

トゥアレグの新世代バンドが“砂漠のブルース”をさらに進化させた

2020年3月末に発売されるタミクレストの通算5作目の新作アルバム。トゥアレグの人々を苦しめてきた紛争や人々の暮らしぶりなどを歌った“砂漠のブルース”のフォーマットを踏襲しつつ、さらに近年世界を股に掛けた活躍をみせる彼らならではのグローバルな視点も盛り込まれました。「Timtarin」という曲ではモロッコ人女性歌手ヒンディー・ザハラをフィーチャーし、魅力的なデュエットを披露。さらに2019年に来日した際に、トンコリ奏者のOKI(OKI DUB AINU BAND)と三味線奏者の坂田淳(東京月桃三味線)をゲストに招いて録音した「Tabsit」というトラックも収録。砂漠のブルース、アイヌ音楽、日本音楽のコラボレーションというかつて無い試みをここで行っています。(Sambinha)


KIDAL

kidal

砂漠のブルース新世代の雄深みを増した待望の新作をリリース!

2000年代のワールド・ミュージック・シーンにおいて、最大の発見となった〈砂漠のブルース〉。近年はティナリウェンらのパイオニアの世代に影響を受けた〈砂漠のブルース新世代〉が続々と登場しています。そういった中でも最も注目を浴びているのがタミクレスト。2013年リリースの前作『シャトマ』(オルターポップ)は世界的に高い評価を得、ここ日本でも音楽誌のワールド・ミュージック部門年間ベストに選出されました。それから3年以上の歳月を経て、遂に彼らが新作を完成させました。

スタジオ・アルバムとしては『シャトマ』以来、3年半振りとなる新作がこの『キダル』。自分たちの拠点の街をタイトルにした本作で彼らは〈トゥアレグ・ロックンロール〉を掲げています。それはトゥアレグの伝統に根ざしながらも、若い感性で取り込んだ欧米のロックやフォークなどの影響を十分消化し、独自のタミクレストの音楽を作り出している自信を表します。砂漠のブルースのロック化の先陣を切ったテラカフト『アローン』(2015年 ライス OHR-689)に参加していたフランス人ドラマーを正規メンバーに迎え入れ、ロック風の楽曲はよりタイトなアンサンブルにアップデート。穏やかな表情の曲はより繊細で叙情的になり、その音楽表現に更なる深みを獲得しました。

Tanakra ( 反乱)   live Germany 2017
「北極星は消え、残っている星は不安定。そのせい、キャラバンは方向を失う恐れがある。だが今の現状はどんな結果でも、昔の圧政よりまだましだ。目的を達する一番の武器は忍耐力だ。どんな強い火でも、水は治める」

Imanin Bas Zihoun live Toyota 2017


 CHATMA

 

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タイトル「シャトマ」とは「姉妹」という意味。虐げられ続ける女性たちに捧げられた1をはじめ、トゥアレグの人々が直面している様々な問題について、そして人々を勇気づけるメッセージが込められている。
トゥアレグの人々が置かれている現状、そして未来への想いは、私たちに日本人にとっても共感出来る部分があるはず。 ★ウスマンとポールのギターが織りなすサイケでスペイシーな音に、曲によってはロックンロール〜サイケデリック〜レゲエと多彩な展開をみせるアンサンブル、それぞれの曲の完成度も素晴らしい。ロック・ファンにもお薦め出来る”新世代”だ。★リーダーであるウスマンへの取材を元もとにしたアリサ・デコート豊崎さんの詳細な解説&歌詞対訳も必読です!

  


TOUMASTIN

Toumastin_de_Tamikrest

前作も当店でロングセラーとなったタミクレスト~ティナリウェンのフォロワー・バンド / 砂漠のブルース若手による新作~セカンド・アルバムが早くも届きました!前作にあったサイケ・ロック?風味はやや後退して、よりディープなブルーズ・ロックっぽいテイストで迫ってくれます。そのギターのトーン、ワウワウやミュート、トレモロ使いによる変化も聞き物、ロック OR ブルーズ・ギター・ファンは是非、注目していただきたいところ!?とはいえ、もちろん“ロック”じゃなくてトゥアレグ・ミュージックなんですけど…、ともあれ、このセカンド、ヴォーカルの曲ごとの表情も変化に富み、多彩な表現力で勝負、さまざまな表情を湛えた曲の並びが飽きさせません、ひきこまれます!(El sur Record)

 


ADAGH


2009年にマリのボゴラン・スタジオで録音された『山』は、ティナリウェンからの影響を強く受けたウスマンたちが初めて作ったアルバム。ブルージーでソリッドな複数のエレクトリック・ギターと重低音を担うベース、そして伝統打楽器類を織り交ぜたそれは、先輩のティナリウェンが作り出したサウンドをさらに発展させ、若々しさや力強さが宿った新鮮な砂漠のブルースに仕上げました。ピンク・フロイドなどの音楽もしっかりと聞いて育った彼ららしい、ロック風味溢れる作品です。