“Caravan to the future” film review by LIFESTYLE みんな電力

【第1回】千年、未来を繋いできたキャラバン

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【第1回】千年、未来を繋いできたキャラバン

映画『Caravan to the Future』は大変な作品だ。
1000年も前からサハラ砂漠で続く、トゥアレグ族の4ヶ月に渡る「塩キャラバン」に、フランス人と日本人の両親を持つ国際ジャーナリスト・デコート豊崎アリサが同行。多くの示唆をくれる、一本の映画に昇華させた。その苛酷さは言うまでもない。しかしアリサ監督は当たり前のように、彼らとキャラバンの自給自足の在り方にある、現代の私たちが失いつつある、底抜けの魅力について語ってくれた。渋谷アップリンクでの上映後、携帯用ソーラーパネルで砂漠での撮影を可能にした監督との、対談の記録である。

本作は、ソーラーパネルで発電した電力で撮影したとのこと。1000年以上続く塩のキャラバンと、先端技術のソーラー発電の組み合わせが面白いと思います。
アリサ 映画は2003年に撮ったものですが、あの頃はまさか一人で撮るとは思いませんでした。映画を撮る経験もなかったですし、もっと普通の撮影チームと一緒に行くつもりだったんです。結局企画書も通らず、予算がなくて、それで「やめるか、一人で撮るか」となって(笑)。そもそもは98年に初めてキャラバンに同行して、その経験があって「これは面白いからドキュメンタリーにしたい」というのが、発端でした。
じゃあ一人で撮るとして、ラクダに乗ってカメラを持って、そこまでイメージすると「どうやって充電するの?」って。これが本当にネックで、解決法がしばらくわからなかったんです。
パリにいる頃、たまたまTVでベネディクト・アレンという、BBCで番組を持ってる冒険家を観て。彼の番組はとても面白くて、例えばナミビア砂漠を2、3ヶ月一人で横断して、自分で自分を撮影してるんです。最初は「他にクルーがいるなんて、冒険家じゃない」って思ってたんだけど、最後のクレジットは全部彼の名前で。
私はそれですごく感激して、直感的に「連絡とるしかない」って(笑)。「どうやって撮ったんですか?私もこういう映画を撮りたい」と言って、ロンドンまで行って実際に会ったんです。そうしたら彼も、BBCとは予算も違うけど、あなたの話を聞いていると、作品を観てみたいと。「撮影はソーラーパネルでできるから、是非いってらっしゃい」と、勇気づけてくれました。

つづき http://enect.jp/life/alissa-interview01/

【第2回】千年、未来を繋いできたキャラバン

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「アラジラ」というナツメの実、山羊のチーズとミレットのお粥を歩いて食べる。
photo by Bardaghan Imane

「自給自足」、「地産地消」、「循環型」といったことは、エネルギーでも大切とされるキーワードです。

アリサ 自給自足の中にしか、本当の自由はないんじゃないのかな?「Freedom」っていろいろな意味がありますが、「本当の自由」は何にも依存しないで、自分の力だけで生きていく、食べていくというのは、実はものすごく自由なことなんです。
ーそれはどこで学んだことですか?
アリサ たぶん旅をしながら見たんだと思います。私はパパと一緒に、小さい時から変な、普通の旅行者が行かないようなところに行ってたから(笑)。そこでいろいろなライフスタイルを見て、その多くはいわゆる「貧しい」ところだったけど、私には全然貧しいように思えていなかった。当時自分は子どもだったし、子どもの視点てすごく素直なので。4、5歳からそういう旅をしてきて、その時の想いとか、旅の教育は大きいですね。

お父さんは何者ですか?

アリサ 冒険家(笑)。80年代のパプア・ニューギニアやパキスタンとか、でも特にアフリカが多かった。パパはフランス人でアジアにずっと憧れてたけど、ハートはアフリカにあったような気がします。それで私もアフリカに一番魅かれてきたの。中でも、中央と西アフリカがメインだったかな。
アフリカはやっぱり人間のはじまった場所で。
私はそれは、言葉だけじゃなく、本当にそういう風に感じているから、国ごとじゃなくて、大陸として特別だし、強烈なところだと思います。

つづき   http://enect.jp/?p=16314&post_type=life&preview=1&_ppp=1f7ec0fab8

 

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